英語の動詞にingを付けると、「今している」という意味になるだけではありません。
ing形は、動作の途中を表す進行形、行為を名詞として扱う動名詞、名詞を説明する現在分詞など、文の中で複数の役割を持ちます。
そのため、形だけを暗記するよりも、ing形が文中で何をしているかを見ることが大切です。
この記事では、基本の意味からつづり方、見分け方、to不定詞との違いまで、例文と表を使って順番に解説します。
ingをつける意味は大きく7つに分けて考える
動詞にingを付ける目的は、一つの日本語訳を作ることではなく、動作を「進行中のもの」「行為そのもの」「名詞を説明する情報」として扱えるようにすることです。
同じing形でも、前後の語や置かれる位置によって役割が変わるため、形だけを見て意味を決めることはできません。
まずは学習上よく出会う七つの場面に分け、文中での働きと訳し方の目安を整理しましょう。
1 今まさに進んでいる動作を表す
be動詞の後ろにing形を置くと、基本的に動作の途中を表す進行形になります。
I am reading a book. は「私は本を読んでいます」という意味で、読む動作が進行中であることに注目した文です。
現在進行形はam、is、areにing形を続け、過去進行形はwas、wereにing形を続けます。
ingだけで進行形になるわけではなく、主語に合ったbe動詞が必要だと覚えておきましょう。
| 時制 | 基本形 | 例文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 現在進行形 | am・is・are + ing | She is cooking now. | 彼女は今料理をしています |
| 過去進行形 | was・were + ing | She was cooking then. | 彼女はそのとき料理をしていました |
| 未来進行形 | will be + ing | She will be cooking at seven. | 彼女は7時には料理をしているでしょう |
| 現在完了進行形 | have・has been + ing | She has been cooking for an hour. | 彼女は1時間ずっと料理をしています |
2 一時的に続いている状況を表す
現在進行形は、話している瞬間だけでなく、最近の一時的な状況にも使われます。
I am studying English this month. と言えば、今月という限られた期間に英語を集中的に勉強しているイメージです。
一方、I study English every day. は習慣を述べる現在形であり、動作の途中よりも繰り返しに焦点があります。
「今この瞬間」かどうかだけで判断せず、一時的な流れを話しているかを見ることが重要です。
3 決まっている近い未来の予定を表す
現在進行形は、すでに手配や約束がある近い未来の予定にも使えます。
I am meeting Ken tomorrow. は「明日ケンに会う予定です」という意味で、単なる思いつきよりも具体的な予定を感じさせます。
tomorrow、next week、on Fridayなど未来を示す語があれば、現在形のbe動詞が使われていても未来の内容だと判断できます。
ing形には動作が動き出している感覚があるため、決定済みの予定と相性がよいと考えると理解しやすくなります。
4 行為を名詞として扱う動名詞になる
ing形が主語や目的語として使われると、「〜すること」を表す動名詞になります。
Swimming is good exercise. のSwimmingは文の主語であり、「泳ぐことはよい運動です」という意味です。
I enjoy reading. のreadingはenjoyの目的語で、「読むことを楽しむ」と訳せます。
動詞らしく目的語や副詞を伴いながら、文全体では名詞の位置に入れることが動名詞の大きな特徴です。
| 文中の位置 | 例文 | ing形の役割 |
|---|---|---|
| 主語 | Walking is good for you. | 歩くこと |
| 動詞の目的語 | I enjoy walking. | 歩くことを |
| 補語 | My hobby is walking. | 趣味の内容 |
| 前置詞の後ろ | I am interested in walking. | 歩くことに |
5 名詞を説明する現在分詞になる
ing形が名詞の前後に置かれ、その名詞が行っている動作を説明すると現在分詞になります。
a sleeping babyは「眠っている赤ちゃん」で、sleepingがbabyの状態を説明しています。
The girl singing on the stage is my sister. では、singing on the stageというまとまりがgirlを後ろから修飾しています。
名詞を「〜している人・物」と説明できるなら、動名詞ではなく現在分詞である可能性が高いでしょう。
6 主語や目的語の状態を説明する補語になる
ing形は、be動詞や知覚動詞などと組み合わさり、主語や目的語がどのような状態かを説明することがあります。
The movie was exciting. のexcitingは映画の性質を表し、「その映画はわくわくさせるものだった」という意味です。
I saw him running. ではrunningがhimの動作を説明し、「私は彼が走っているところを見た」となります。
同じbe + ingの形でも、動作の進行なのか性質を表す形容詞的用法なのかは、文脈と単語の役割から判断します。
7 二つの出来事をつなぐ分詞構文になる
ing形で始まるまとまりが、主節の動作に状況や理由、時、同時進行などを加えると分詞構文になります。
Walking along the street, I found a small cafe. は「通りを歩いていると、小さなカフェを見つけた」という意味です。
主語が同じ場合に、When I was walking along the streetのような節を短くまとめた表現だと考えられます。
分詞構文は訳し方が一つに決まらないため、前後の出来事の関係を見て自然な日本語に直すことが大切です。
| 用法 | 形の目印 | 代表的な意味 |
|---|---|---|
| 進行形 | be動詞 + ing | 〜している |
| 動名詞 | 主語・目的語・前置詞の後ろ | 〜すること |
| 現在分詞 | 名詞を前後から説明 | 〜している人・物 |
| 補語 | 主語や目的語の状態を説明 | 〜している・〜させる性質の |
| 分詞構文 | ingのまとまり + 主節 | 〜すると・〜しながら・〜なので |
ing形の正しいつけ方とスペルのルール
ing形は、多くの動詞では語尾にそのままingを加えるだけですが、最後の文字や発音によって形が変わります。
スペルを誤ると意味は通じてもテストや英作文では減点されやすいため、原形から正しく変化させる手順を身につける必要があります。
特に、語尾のe、ie、短母音と子音の組み合わせは間違えやすいため、代表例と例外をセットで確認すると効率よく覚えられます。
基本は動詞の原形にそのままingをつける
多くの動詞は、原形の後ろにingをそのまま付ければ完成します。
playはplaying、readはreading、studyはstudyingとなり、yをiに変える必要はありません。
三単現のsや過去形のedを付けてからingにするのではなく、必ず動詞の原形を基準にします。
迷ったときは、まず原形に戻してから語尾の規則を当てはめるとミスを減らせます。
語尾が発音しないeならeを取る
make、take、writeのように、語尾が発音しないeで終わる動詞は、eを取ってingを付けます。
そのためmakeingではなくmaking、writeingではなくwritingが正しい形です。
ただしseeはseeing、beはbeingのように、eを残す単語もあります。
「eで終わる語は全部消す」と機械的に覚えず、発音しないeを取るという考え方にすると例外を整理しやすくなります。
短母音と子音で終わる語は最後の子音を重ねる
run、sit、stopのように、短く発音する母音の後ろに子音が一つある動詞は、最後の子音を重ねてingを付けます。
runはrunning、sitはsitting、stopはstoppingとなります。
二音節以上の語では、beginのように最後の音節にアクセントがある場合はbeginningと子音を重ねますが、openはopeningのままです。
w、x、yは通常重ねないため、snowing、fixing、playingと書きます。
ieで終わる語はieをyに変える
die、lie、tieのようにieで終わる動詞は、ieをyに変えてからingを付けます。
それぞれdying、lying、tyingとなり、dieingやlieingとは書きません。
この規則は対象となる単語が多くないため、代表的な三語をまとめて覚える方法が実用的です。
なお、母音の長さや語尾の文字だけで迷う場合は、辞書でing形の表記を確認するのが確実です。
| 原形のタイプ | ルール | 例 |
|---|---|---|
| 一般的な動詞 | そのままing | play → playing |
| 発音しないeで終わる | eを取ってing | make → making |
| 短母音 + 子音 | 子音を重ねてing | run → running |
| ieで終わる | ieをyに変えてing | lie → lying |
| w・x・yで終わる | 通常は重ねない | snow → snowing |
動名詞と現在分詞と進行形の見分け方
ing形を見分けるときは、日本語訳を先に決めるより、文のどの位置にあり、何を説明しているかを確認する方が正確です。
「〜している」と訳せるかだけで判断すると、動名詞や形容詞化した分詞を進行形と取り違えることがあります。
名詞の場所に入っているのか、be動詞と述語を作っているのか、近くの名詞を修飾しているのかを順番に見ると判断しやすくなります。
主語や目的語なら動名詞と考える
ing形が主語、目的語、補語、前置詞の目的語の位置にあれば、基本的には動名詞です。
Reading books is fun. ではReading books全体が主語なので、「本を読むこと」と訳します。
She finished writing the report. ではwriting the reportがfinishedの目的語です。
「何が」「何を」に当たる名詞の場所を探し、そこにing形のまとまりが入っていれば動名詞と判断できます。
be動詞の後ろでも必ず進行形とは限らない
be動詞の後ろにing形があっても、すべてが進行形とは限りません。
He is running. は走る動作の途中を表す進行形ですが、His hobby is running. のrunningは趣味の内容を示す動名詞です。
The story is interesting. のinterestingは物語の性質を説明する形容詞として働いています。
主語が実際にその動作をしているのか、それとも主語の内容や性質を説明しているのかを確認しましょう。
名詞を説明していれば現在分詞と考える
ing形が名詞の前や後ろにあり、その名詞がしている動作を表すなら現在分詞です。
a crying babyではbabyが泣いているため、cryingはbabyを修飾しています。
The man waiting outside is my teacher. ではwaiting outsideがthe manを詳しく説明しています。
「ing形のすぐ近くに説明される名詞があるか」を探すと、動名詞との区別がしやすくなります。
文全体に状況を加えていれば分詞構文と考える
文頭や文末のing句が主節全体に時、理由、条件、付帯状況を加えている場合は分詞構文です。
Feeling tired, I went to bed early. は「疲れていたので、私は早く寝た」と理由を表しています。
She walked home, singing a song. は「歌を歌いながら、彼女は歩いて帰った」と同時進行を表します。
ing句の中に明示された主語がなければ、通常は主節の主語と同じだと考えて意味をつなげます。
| 確認する順番 | 質問 | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 主語や目的語の場所にあるか | 動名詞 |
| 2 | be動詞と動作の途中を表すか | 進行形 |
| 3 | 名詞を説明しているか | 現在分詞 |
| 4 | 主節全体に状況を加えているか | 分詞構文 |
| 5 | 性質や感情を説明しているか | 形容詞化した分詞 |
ingとto不定詞の使い分けを理解する
「〜すること」はing形の動名詞でもto不定詞でも表せますが、どちらを置けるかは前にある動詞や前置詞によって異なります。
日本語では同じように訳せても、英語では選ぶ形によって自然さや伝わる時間関係が変わる場合があります。
両方使える場合でも意味が変わることがあるため、単語を一語ずつ覚えるより、動詞と後ろの形をセットで覚えることが重要です。
ingだけを目的語に取りやすい動詞を覚える
enjoy、finish、avoid、mind、suggest、considerなどは、後ろに動作を続けるときing形を取ります。
I enjoy playing tennis. は自然ですが、I enjoy to play tennis. とは通常言いません。
She suggested taking a taxi. のように、suggestの後ろにも動名詞を置きます。
これらは「enjoy doing」「avoid doing」のような語のまとまりで音読すると定着しやすくなります。
| ingを取りやすい動詞 | 例 |
|---|---|
| enjoy | enjoy reading |
| finish | finish eating |
| avoid | avoid making mistakes |
| mind | mind waiting |
| suggest | suggest going by train |
| consider | consider changing jobs |
| keep | keep trying |
| give up | give up smoking |
to不定詞を目的語に取りやすい動詞を覚える
want、decide、hope、plan、promiseなどは、後ろにto + 動詞の原形を置くのが基本です。
I want to study abroad. は「留学したい」という意味で、want studying abroadとは通常言いません。
We decided to leave early. のように、決定や希望、計画に関する動詞はto不定詞と結び付くものが多くあります。
ただし意味だけで完全に予測するのは難しいため、辞書の例文で語法を確認する習慣も必要です。
どちらも使える動詞は意味の差を確認する
like、love、hate、begin、startなどは、ing形とto不定詞の両方を取れることがあります。
I like reading. とI like to read. はどちらも「読むことが好き」という意味になり、日常会話では差が小さい場合もあります。
一方、ing形は行為そのものや経験に焦点を置き、to不定詞は選択や習慣、これから行うことに焦点を置く傾向があります。
ただし細かなニュアンスは動詞と文脈で変わるため、常に同じ日本語訳だけで区別しないことが大切です。
後ろの形で意味が変わる動詞に注意する
stop、remember、forget、tryなどは、ing形とto不定詞のどちらを続けるかで意味が変わります。
stop smokingは「喫煙をやめる」ですが、stop to smokeは「喫煙するために立ち止まる」という意味です。
remember locking the doorは「鍵をかけたことを覚えている」で、remember to lock the doorは「忘れずに鍵をかける」となります。
前者はすでに起きた行為を振り返り、後者はこれから行う必要がある動作を示すことが多いと整理できます。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| stop doing | していることをやめる |
| stop to do | するために立ち止まる |
| remember doing | したことを覚えている |
| remember to do | 忘れずにする |
| try doing | 試しにしてみる |
| try to do | しようと努力する |
| regret doing | したことを後悔する |
| regret to do | 残念ながらこれから伝える |
ing形でよくある間違いと覚え方
ing形の誤りは、意味を知らないことよりも、進行形の形、前置詞の後ろ、状態動詞、語尾の変化を混同することで起こりやすくなります。
特に、be動詞の抜けやtoの後ろの形は、基本を理解した後でも繰り返し間違えやすいポイントです。
正解だけを暗記するのではなく、なぜその位置にing形が必要なのかを説明できるようにすると、初めて見る英文にも対応できます。
進行形ではbe動詞を忘れない
日本語の「〜している」だけを見て、I playing soccer. のようにbe動詞を抜かすのは典型的な間違いです。
進行形の述語は、be動詞とing形の二つで一つのセットになります。
疑問文ではAre you playing soccer?、否定文ではI am not playing soccer. のようにbe動詞を動かしたりnotを付けたりします。
ing形そのものは主語や時制に合わせて変化せず、時制や人称の情報は主にbe動詞が担当します。
前置詞の後ろは動詞の原形ではなくing形にする
in、at、for、without、afterなどの前置詞の後ろで動作を表す場合は、動詞の原形ではなくing形を置きます。
Thank you for helping me. やHe left without saying goodbye. のように使います。
look forward toのtoも前置詞なので、I look forward to seeing you. が正しい形です。
toを見たら必ず不定詞と考えず、そのtoが前置詞かどうかを熟語全体で確認しましょう。
状態動詞は原則として進行形にしにくい
know、believe、understand、belongなど、動作よりも状態を表す動詞は、通常の意味では進行形にしにくい傾向があります。
I know the answer. は自然ですが、I am knowing the answer. とは通常言いません。
ただしthinkは「考える」という動作ならI am thinking about it. と進行形にでき、haveも「食べる・経験する」なら進行形にできます。
単語ごとに永久にingを付けられないのではなく、その文で状態を表しているか動作を表しているかを見ることが大切です。
文の役割ごとに例文を作って覚える
ing形を効率よく覚えるには、一つの動詞で複数の用法を比較する練習が効果的です。
I am reading. は進行形、Reading is fun. は動名詞、The boy reading a book is Tom. は現在分詞です。
形は同じでも役割が変わることを一組の例文で確認すると、訳だけに頼らず構造を見られるようになります。
最後に「このing形は文中で名詞、形容詞、述語のどれとして働いているか」を声に出して説明すると理解が定着します。
| 学習手順 | やること |
|---|---|
| 1 | ing形の直前と直後を見る |
| 2 | 主語・目的語・修飾語・述語のどれかを判断する |
| 3 | 進行、行為、名詞の説明のどれを表すか考える |
| 4 | 原形に戻してスペルの規則を確認する |
| 5 | 同じ動詞で別の用法の例文を作る |
まとめ
ingを付ける意味は、進行中の動作を示すことだけではありません。
動名詞なら「〜すること」、現在分詞なら「〜している人や物」を表します。
見分けるときは、日本語訳よりも文中の位置と役割を確認しましょう。
つづりの規則とto不定詞との組み合わせを例文で覚えれば、英作文でも迷いにくくなります。
迷った文は、ing形が何を説明しているかを一つずつ確認してください。

